情報セキュリティ(全132問中18問目)

暗号学的ハッシュ関数における原像計算困難性,つまり一方向性の性質はどれか。

出典:令和3年春期 問40

  • あるハッシュ値が与えられたとき,そのハッシュ値を出力するメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質
  • 入力された可変長のメッセージに対して,固定長のハッシュ値を生成できるという性質
  • ハッシュ値が一致する二つの相異なるメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質
  • ハッシュの処理メカニズムに対して,外部からの不正な観測や改変を防御できるという性質
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分野:テクノロジ系
中分類:セキュリティ
小分類:情報セキュリティ
解説
ハッシュ関数は、任意の長さのデータを入力すると固定長のビット列(ハッシュ値,メッセージダイジェスト)を返す関数で、次のような性質を持っています。
  • 入力データが同じであれば、常に同じメッセージダイジェストが生成される。
  • 入力データが少しでも異なっていれば生成されるメッセージダイジェストは大きく異なったものになる。
  • メッセージダイジェストから元の入力データを再現することが困難である。
  • 異なる入力データから同じメッセージダイジェストが生成される可能性が非常に低い。
このうち3つ目の「あるメッセージのハッシュ値を得ることは簡単にできるが、その逆は事実上できない」というハッシュ関数の一方向性を「原像計算困難性」といいます。したがって「ア」が適切な説明となります。

ちなみに「ウ」は、衝突発見困難性(強衝突耐性)を説明した文です。

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