令和6年秋期試験問題 午前問9

量子超越性(Quantum Supremacy)の説明として,適切なものはどれか。

  • 重ね合わせという現象を用いた量子暗号が,現在の暗号化方式よりもはるかに安全であること
  • 従来のコンピュータが古典物理学に依拠する段階にとどまっているのに比べて,量子コンピュータが量子力学に依拠して作られていること
  • 従来のコンピュータでは実用的な時間で処理することができない計算を,量子コンピュータでは高速に実行できること
  • 同一の性能を実現した従来のコンピュータに比べて,量子コンピュータの物理的な大きさを圧倒的に小さくできること
正解 問題へ
分野 :テクノロジ系
中分類:コンピュータ構成要素
小分類:プロセッサ
解説
量子超越性(量子スプレマシー)は、どの古典的コンピュータでも現実的な時間で解決できない特定の課題(実用性は問わない)を、量子コンピュータが解決することができる特性を指します。例えば、古典コンピュータでは膨大な時間がかかる問題を、量子コンピュータなら短時間で解ける場合がこれに当たります。量子計算の優位性を示す特性として、盛んに実証が行われています。

したがって「ウ」が適切な説明です。
  • 量子暗号は、量子もつれや量子重ね合わせといった量子力学的現象を活用して通信の安全性を保証する技術ですが、これは量子超越性とは関係がありません。
  • 古典コンピュータと量子コンピュータの一般的な説明であり、量子超越性とは関係がありません。
  • 正しい。量子超越性の説明です。
  • 進化した量子コンピュータの大きさが古典コンピュータと比較してどの程度の大きさになるかはわかっていません。少なくとも現段階での量子コンピュータは、絶対零度近くの極低温環境を維持するなどのために巨大な設備が必要とされています。ただし、古典コンピュータがそうであったように小型化していく可能性はあります。

Pagetop