平成23年秋期試験問題 午前問5
問5解説へ
自然数をキーとするデータを,ハッシュ表を用いて管理する。キーxのハッシュ関数h(x)を
h(x) = x mod n
とすると,キーaとbが衝突する条件はどれか。ここで,nはハッシュ表の大きさであり,x mod nはxをnで割った余りを表す。
h(x) = x mod n
とすると,キーaとbが衝突する条件はどれか。ここで,nはハッシュ表の大きさであり,x mod nはxをnで割った余りを表す。
- a+bがnの倍数
- a-bがnの倍数
- nがa+bの倍数
- nがa-bの倍数
広告
解説
aをnで割ったときの商をk、bをnで割ったときの商をl、余りがどちらもxとなる場合を式で表すと、
a=kn+x
b=ln+x
となります。これをxについて解くと、
x=a-kn
x=b-ln
と変換できます。余りであるxが等しくなるとき a-kn と b-ln は等しいので、方程式で関係を導きます。
a-kn=b-ln
a-b=kn-ln
a-b=n(k-l)
ここで、aとb及びnが自然数であることから商であるkとlも自然数となります。よって n(k-l) はnの倍数です。
∴余りxが同じとき、a-bはnの倍数
以上より、キーの衝突には「a-bがnの倍数」という条件があるとわかります。したがって「イ」が正解です。
ここまでが論理的に解を導く方法ですが、計算結果が同じになるa・b・nを用意して選択肢の記述の正誤を判断することもできます。例えば、a=51、b=27、n=12(どちらも余りが3)で試してみると、
a=kn+x
b=ln+x
となります。これをxについて解くと、
x=a-kn
x=b-ln
と変換できます。余りであるxが等しくなるとき a-kn と b-ln は等しいので、方程式で関係を導きます。
a-kn=b-ln
a-b=kn-ln
a-b=n(k-l)
ここで、aとb及びnが自然数であることから商であるkとlも自然数となります。よって n(k-l) はnの倍数です。
∴余りxが同じとき、a-bはnの倍数
以上より、キーの衝突には「a-bがnの倍数」という条件があるとわかります。したがって「イ」が正解です。
ここまでが論理的に解を導く方法ですが、計算結果が同じになるa・b・nを用意して選択肢の記述の正誤を判断することもできます。例えば、a=51、b=27、n=12(どちらも余りが3)で試してみると、
- a+b=78なので、12の倍数ではありません(×)。
- a-b=24なので、12の倍数になっています(〇)。
- a+b=78なので、12は78の倍数ではありません(×)。
- a-b=24なので、12は24の倍数ではありません(×)。
広告