令和4年秋期試験問題 午前問17
問17解説へ
ほとんどのプログラムの大きさがページサイズの半分以下のシステムにおいて,ページサイズを半分にしたときに予想されるものはどれか。ここで,このシステムは主記憶が不足しがちで,多重度やスループットなどはシステム性能の限界で運用しているものとする。
- ページサイズが小さくなるので,領域管理などのオーバーヘッドが減少する。
- ページ内に余裕がなくなるので,ページ置換えによってシステム性能が低下する。
- ページ内の無駄な空き領域が減少するので,主記憶不足が緩和される。
- ページフォールトの回数が増加するので,システム性能が低下する。
正解 ウ問題へ
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解説
ページング方式とは、仮想記憶管理方式の一つで、仮想アドレス空間を「ページ」と呼ばれる固定長の区画に分割するとともに主記憶のアドレス空間(実アドレス空間)も同じように固定長に分割して、このページ単位で主記憶と仮想記憶(補助記憶装置)のアドレス変換を行う方式です。
- ページサイズを半分にすると、同じ容量を管理するために必要なページ数は2倍になります。OSが管理するページテーブルのエントリ数も2倍になるため、システムのオーバーヘッドは増加します。
- ほとんどのプログラムはページサイズの半分以下なので、多くは1つのページに収まります。ページサイズが小さくなると、その分だけ主記憶上に展開できるプログラムが増えます。これにより、主記憶が不足しがちなシステムではページフォールトの回数が減って、システムの性能は向上します。
- 正しい。ページ内の無駄な空き領域が減ることで、主記憶に載せられるページ数が増えます。これまで無駄になっていた主記憶の容量を有効に使うことができるので、主記憶不足が緩和されます。
- ページサイズが半分になると、その分だけ主記憶に展開できるプログラムが増えます。その結果、ページフォールトの回数が減って、システムの性能は向上します。
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