平成17年秋期試験問題 午前問57

テキストデータ伝送とバイナリデータ伝送に関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,テキストデータは図形文字だけで構成されるものとする。

  • 対象データをテキストデータの文字列に変換することによって,テキストデータ伝送用の手順を使用してバイナリデータを送ることができる。
  • テキストデータ伝送では7ビットの文字データに1ビットのパリティを付加して伝送し,バイナリデータ伝送では8ビットのデータに分割してそのまま伝送する。
  • テキストデータ伝送では無手順を使用し,バイナリデータ伝送ではベーシック制御手順を使用する。
  • バイナリデータ伝送では,HDLC手順以外の伝送制御手順を使用することはできない。
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分野:テクノロジ系
中分類:ネットワーク
小分類:データ通信と制御
解説
データを伝送するための手順には「無手順」「ベーシック手順」「HDLC手順」があります。
無手順
特定の制御手順をもたない伝送制御手順で信頼性・伝送効率ともに低い。同期方式として調歩同期方式が用いられることが多い。
ベーシック手順
文字列情報を伝送するための制御手順。ブロック単位で伝送され、1ブロックごとに受信確認が行われる。同期方式としてキャラクタ同期方式が用いられる。
HDLC手順
同期方式としてフラグ同期を採用することで任意のビットパターンを伝送できる高効率・高信頼性の伝送制御手順。CRCによる誤り検出機能を有している。
  • 正しい。バイナリデータを文字列に変換することで、テキストデータ用の伝送手順で送信することが可能です。
    この仕組みが使用されているものに電子メールで使用されるMIMEがあります。電子メールの送信で使用するSMTPは本来ASCII文字しか扱うことができませんが、MIMEでは画像データなどのテキスト以外のデータをASCII文字に変換することでバイナリデータの送信を可能にしています。
  • テキストデータ伝送ではパリティを付加しないことも選択可能です。
  • テキストデータ伝送では、無手順、ベーシック手順、HDLC手順のいずれも使用できます。また、ベーシック手順は基本的に文字情報の転送用なので、バイナリデータ伝送には無手順かHDLC手順を使用します。
  • バイナリデータのまま伝送には無手順を使用することもできます。また、バイナリデータを文字列に変換すればベーシック手順でも送信することが可能です。
変換後のビットパターンにベーシック手順の伝送制御文字にあたるパターンが含まれていた場合、伝送時に制御文字として誤認識されてしまう問題が想像できますが、拡張されたベーシック手順では本来の伝送制御文字の前に「DLEコード」を付加し区別を行うことで誤認識を回避しています。

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