平成30年春期試験問題 午前問6
問6解説へ
異なるn個のデータが昇順に整列された表がある。この表をm個のデータごとのブロックに分割し,各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって,目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に,当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。このときの平均比較回数を表す式はどれか。ここで,mは十分大きく,nはmの倍数とし,目的のデータは必ず表の中に存在するものとする。
- m+nm
- m2+n2m
- nm
- n2m
広告
解説
線形探索法を2回組み合わせて目的データを探し出すときの平均比較回数を求める問題です。探索するデータ数に注目して考えていきましょう。
線形探索法は、探索対象データを先頭から順に1つずつ比較していくことで目的のデータを見つける方法です。線形探索法において、N個のデータの中から目的のデータを探すときの平均比較回数は N+12 回です。
最初は、n個のデータをm個ごとのブロックに分割した最後尾のデータのみを探索します。表のデータは昇順に整列されているので、各ブロック最後尾の並びも昇順になっているはずです。この最後尾データの並びに対して「目的のデータ≦各ブロックの最後尾データ」を順次チェックし、目的のデータが存在するブロックを探します。
この1回目の探索では、データを1つずつチェックしていくので線形探索の考え方を準用できます。探索するデータ数は n/m 個なので、目的のデータが存在するブロックが決定するまでの平均比較回数は、
n/m+12 [回]
2回目は、1回目の探索によって見つけたブロック内を線形探索します。探索対象のデータ数は m 個なので、目的のデータを見つけるまでの平均比較回数は、
m+12 [回]
2つの比較回数の合計は、
n/m+12 + m+12 [回]
ここまでたどり着ければ、なんとなく「イ」が適切そうなことがわかります。
設問では m は十分に大きいという条件が与えられていますが、n/m が十分に大きいとは限らないため、定数項の"+1"は無視できません。よって、以下のように式を変形します。
n/m+12 + m+12
=n/m+1 + m+12
=n/m+m+22
=n2m+m2+22
=n2m+m2+1
n2mは n が m より十分大きい場合に十分大きくなるので無視できない、"+1"は m2 が十分大きいので無視できると考えると、定数項の"+1"を除いて n2m+m2。つまり、1回目と2回目の平均比較回数の合計は m2+n2m になります。
【補足】
上記の解説ではmが十分に大きいという理由で+1を除外していますが、線形探索の特性上、目的のデータが必ず存在するならば、最後の1つ前(n-1番目)の要素までの比較で目的のデータが見つからなかった場合、最後の要素が目的のデータであることが確定します。このため最小比較回数を 1回、最大比較回数を n-1回、平均比較回数を n/2回 として考えることもできるでしょう。この考え方だと1回目の平均比較回数が n/2m回、2回目の平均比較回数が m/2回となり、正解の式と一致します。
線形探索法は、探索対象データを先頭から順に1つずつ比較していくことで目的のデータを見つける方法です。線形探索法において、N個のデータの中から目的のデータを探すときの平均比較回数は N+12 回です。
最初は、n個のデータをm個ごとのブロックに分割した最後尾のデータのみを探索します。表のデータは昇順に整列されているので、各ブロック最後尾の並びも昇順になっているはずです。この最後尾データの並びに対して「目的のデータ≦各ブロックの最後尾データ」を順次チェックし、目的のデータが存在するブロックを探します。
この1回目の探索では、データを1つずつチェックしていくので線形探索の考え方を準用できます。探索するデータ数は n/m 個なので、目的のデータが存在するブロックが決定するまでの平均比較回数は、
n/m+12 [回]
2回目は、1回目の探索によって見つけたブロック内を線形探索します。探索対象のデータ数は m 個なので、目的のデータを見つけるまでの平均比較回数は、
m+12 [回]
2つの比較回数の合計は、
n/m+12 + m+12 [回]
ここまでたどり着ければ、なんとなく「イ」が適切そうなことがわかります。
設問では m は十分に大きいという条件が与えられていますが、n/m が十分に大きいとは限らないため、定数項の"+1"は無視できません。よって、以下のように式を変形します。
n/m+12 + m+12
=n/m+1 + m+12
=n/m+m+22
=n2m+m2+22
=n2m+m2+1
n2mは n が m より十分大きい場合に十分大きくなるので無視できない、"+1"は m2 が十分大きいので無視できると考えると、定数項の"+1"を除いて n2m+m2。つまり、1回目と2回目の平均比較回数の合計は m2+n2m になります。
【補足】
上記の解説ではmが十分に大きいという理由で+1を除外していますが、線形探索の特性上、目的のデータが必ず存在するならば、最後の1つ前(n-1番目)の要素までの比較で目的のデータが見つからなかった場合、最後の要素が目的のデータであることが確定します。このため最小比較回数を 1回、最大比較回数を n-1回、平均比較回数を n/2回 として考えることもできるでしょう。この考え方だと1回目の平均比較回数が n/2m回、2回目の平均比較回数が m/2回となり、正解の式と一致します。
広告