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応用情報技術者令和3年春期 午前問40
問40
暗号学的ハッシュ関数における原像計算困難性,つまり一方向性の性質はどれか。
- あるハッシュ値が与えられたとき,そのハッシュ値を出力するメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質
- 入力された可変長のメッセージに対して,固定長のハッシュ値を生成できるという性質
- ハッシュ値が一致する二つの相異なるメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質
- ハッシュの処理メカニズムに対して,外部からの不正な観測や改変を防御できるという性質
分類
テクノロジ系 » セキュリティ » 情報セキュリティ
正解
ア
解説
ハッシュ関数は、任意の長さのデータを入力すると固定長のビット列(ハッシュ値、メッセージダイジェスト)を返す関数で、次のような性質を持っています。
このように、元のメッセージ(原像)を計算で求めることができない性質を「原像計算困難性(または一方向性)」と呼びます。
したがって「ア」が正しい説明です。
- 決定性:入力データが同じであれば、常に同じハッシュ値が生成される
- 雪崩効果:入力データが少しでも異なっていれば生成されるハッシュ値は大きく異なったものになる
- 一方向性:ハッシュ値から元の入力データを割り出すことが計算量的に難しい
- 衝突耐性:異なる入力データから同じハッシュ値が生成される可能性が極めて低い
このように、元のメッセージ(原像)を計算で求めることができない性質を「原像計算困難性(または一方向性)」と呼びます。
したがって「ア」が正しい説明です。
- 正しい。原像計算困難性の説明です。
- 固定長出力性の説明です
- 衝突発見困難性(強衝突耐性)の説明です。
- ハッシュ関数の仕様は公開されており、ハッシュ関数自体には観測や改ざん防御といった能力はありません。