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構成管理・変更管理 - 9語(シラバス7.1)

ソフトウェア構成管理

ソフトウェア開発において、ソースコードやデータ、ドキュメントなどの変更を管理するプロセスである。これにより、バージョンの管理や変更履歴の追跡が可能となり、チーム全体での協力を円滑に進めることができる。例えば、複数の開発者が同じプロジェクトに参加する際、誰がどの部分を変更したのかを明確にすることで、混乱を避けることができる。また、ソフトウェアのリリース時に特定のバージョンを再現するために、各構成要素がどのような状態だったかを把握することも重要だ。効果的な品質の向上や開発の効率化につながるため、ソフトウェア開発を行う上で欠かせない要素である。

ソフトウェア構成品目

ソフトウェア開発や保守において、管理対象となるソフトウェアの部分や要素を指すものである。これには、ソースコード、ドキュメント、ライブラリ、設定ファイルなどが含まれる。特に構成管理のプロセスにおいて重要であり、各品目のバージョンや変更履歴を把握することで、品質や整合性を維持する助けとなる。例えば、アプリケーションのアップデートやバグ修正を行う際、適切な構成品目を管理し、明確に定義することで、開発チームの作業効率が向上する。また、構成品目が特定されることで、問題解決の際にどの部分が影響を受けるかを迅速に判断できるため、運用面でも大きなメリットがある。

SLCP

ソフトウェアの開発から運用、保守に至る一連のプロセスを指す。これは、ソフトウェアがそのライフサイクル全体を通じてどのように管理されるべきかを示すものである。SLCPは通常、要件定義、設計、実装、テスト、運用、保守といった段階から構成される。各段階には特有の活動や成果物があり、これらを適切に管理することが、ソフトウェアの品質を確保する上で重要である。例えば、要件定義ではユーザーのニーズを明確にし、設計段階ではその要件に基づいてシステムの構造を決定する。SLCPを実施することでプロジェクトの進行状況が可視化され、リスク管理やスケジュール管理が容易になるため、信頼性の高いソフトウェアを提供するための基盤となる。

構成管理計画

システムやソフトウェアの構成要素を管理・制御するための戦略や手順を示した文書である。この計画は、変更の要求や承認、構成管理の実施方法、および関係者の役割を明確にすることで、プロジェクトの整合性を保つことを目的としている。建設やITプロジェクトにおいて、例えばシステムのバージョン管理や変更履歴の追跡などが含まれる。構成管理計画を策定することにより、課題の早期発見やフィードバックの迅速化が可能になり、プロジェクトの品質向上に寄与する。この計画は、プロジェクトの各段階で適切に実施されることが望まれる。

ベースライン

プロジェクトやシステムの進行を管理するために設定された基準となる状態のことである。構成管理の分野においては、ベースラインは特定の時点での製品やプロジェクトの仕様、設計、コードなどを記録するもので、変更管理の基礎を形成する。例えば、ソフトウェア開発においては、初期バージョンのソースコードをベースラインとし、その後の変更を追跡することで、問題が発生した際に元の状態に戻すことが容易になる。これにより、開発チームは変更の影響を把握しやすくなり、プロジェクトの品質を維持することができる。

SBOM

ソフトウェアの構成要素や依存関係を明示的にリスト化した文書である。使用されるライブラリやパッケージ、バージョン情報などを含むため、ソフトウェア開発や保守において重要な役割を果たす。例えば、オープンソースのライブラリを活用する際、SBOMを参照することで、セキュリティの脆弱性が存在するかどうかを迅速に確認できる。これにより、開発者はリスクを管理し、品質を向上させることが可能である。また、SBOMは法的コンプライアンスを遵守するためにも役立ち、ソフトウェアの透明性を高める助けとなる。

一貫性

ソフトウェアに関連するデータや動作が、異なる状況においても同じ結果を維持する特性を指す。ソフトウェア開発において、一貫性を保つことは非常に重要である。たとえば、ユーザーインターフェースの要素が異なる画面で同様の方法で動作する場合、一貫性があると言える。このような設定は、ユーザーが使いやすく感じるため、操作の混乱を避ける助けとなる。また、一貫性はデータ整合性にも関連しており、異なる部分が矛盾しないように保つことが求められる。これにより、ソフトウェアの品質が向上し、信頼性が増すため、開発チームは一貫性を常に意識する必要がある。

正確性

ソフトウェアやデータが実際の状況や意図された価値と一致している程度を示す概念である。ソフトウェア構成品目の完全性保証において、正確性は重要な要素であり、ユーザーが求める結果や機能が正確に提供されることを意味する。例えば、データベースに保存されている情報が真実を反映している場合、それは正確性が高いと言える。正確な結果を出すことで、信頼性のあるシステムが構築され、ユーザーの満足度が向上し、業務の効率化にも繋がる。また、正確性を向上させるためには、テストやレビューといった工程が重要であり、ソフトウェア開発の各段階で適切に実施されることが求められる。

保管期間

企業がデータや情報を保存する期間のことを指す。特にリリース管理や出荷においては、製品や関連書類を一定期間保管することが求められる。この法的な要件や内部ポリシーに基づいて設定され、データの管理や品質保証に寄与する。例えば、製品の出荷後、一定期間はその出荷記録や製品の仕様書などを保管しておくことで、万が一のトラブルに備え、迅速に対応できるようにする。適切な保管期間を定めることは、企業の信頼性を高め、顧客との関係を強化する上でも非常に重要である。
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